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会員名

 職 種 
 


池上 紘子  Ikegami Hiroko

日本画家
 

事業所名

アトリエ•ギャラリー 飯田橋画廊

所在地
TEL&FAX

102-0072 千代田区飯田橋3-3-11斉藤ビル1階
 T&F 03-6380-9885

URL

http://e-nihonga.jp/

E-MAIL

ikegami-hiroko@yahoo.co.jp

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主な販路

個展、企画展での展示、ホームページからのオーダーなど

主な材料

紙、絵絹、膠、岩絵具、染料、金属箔、金属泥、胡粉

主な道具

筆、墨、硯、絵皿、筆洗、文鎮、毛氈、膠鍋

主な製品名

製品というよりは、作品であるという思いです。絵巻物、色紙、短冊、団扇、掛軸、葉書、帖などがあります。

特徴

東アジア絵画は伝統的に、非常に線を重視します。なかでも、国風文化より発展したやまと絵は非常に優美で温和、日本の豊かな四季の織り成す花鳥風月を題材として描かれます。

また、宮中を中心に発展した特性上、年中行事や貴族の雅な遊びやまつりごとなどを多く描かれます。絹や和紙の上に、墨によって精神性を重視して描かれた線で描き、天然顔料や、染料などで着彩します。

PRポイント

やまと絵表現には、筆を立てて描けるようになるまで数年、天然顔料に精通するまで数年、と厳しい修行を経てこそ、表現できる美があります。新しい時代に即した表現を追及することは、とても有意義ですが、一方で、先人から受け継いだ技術を絶やしてはいけない、という思いを持って、日々精進しています。特に、天然顔料の限られた色数から、多くの色みをつくりだし、最大限の発色を引き出すことにこだわりをもって取り組んでいます。

掲載雑誌・
TV番組での公開等  

・「花美術館」
・「心に残る和の年賀状素材集」インプレスジャパン社」
・「週刊新潮」
・「美術の窓」

インタビュー記事

問1)池上さん、これまでの経歴についてお聞かせください。

ikegame-01-002_3.jpg答)私の場合、家族にも、美術関係者はひとりもおらず、祖父母も教師であり、当然、周囲には、普通に進学し、一般企業に就職するか教師になるように考えられていました。

高校時代に公立の進学校の受験戦争のムードの中で、ひとり、生きるべき道を探していたころ、悩んだ末に図書館の片隅で出会った、一点の日本画作品に感動し、日本画の道に進もうと決めました。周囲の賛成は得られませんでしたが、説得し、進学させてもらいました。

進学後は、人の十倍、努力をしようと思い、寸暇を惜しんで絵を勉強しました。早朝から深夜まで描き続け、家へ帰っても描き、電車の中でも美術書を読み、そんな生活を続けるうち、2年目には、学科の主席になっていました。模写や古画修復を専門とするクラスを選択したのも、日本画を描いて生きていくことには迷いが無かったので、確実に技術を身につけようと思ったからです。

卒業後は、自分の創作で生きていこうと、意地を張って、修復業界などへの就職も断り、アルバイトをしながら創作活動をしたりと苦労しましたが、卒業して2年後に修了制作を仁和寺に奉納したことをきっかけに、作品の依頼を次々と頂き、美術関係のお仕事を誘っていただいたりすることが増え、教室を開講したりしながら、なんとか、描き続けて生きてこられました。

問2)お仕事の内容についてお聞かせください。

ikegame-02-img010.jpg答)絵描きというと、非常にクリエイティブで破天荒な印象を受けるかもしれませんが、実際には、たいていの作業は非常に地味で、パネルに紙を張ったり、糊を炊いたり、下地をつくったり、額を打ったり、絵の具を溶いたり、と力仕事も多いです。

静かな作業の中から、ひとつひとつ、精神を統一して、イメージへと集約していきます。
下図を喫茶店や図書館にこもって描いたり、美術展へ作品研究をしに行ったり、写生へ出かけたり、新しい時代に即した表現を研究したり、美学に関する本を読んだり、と研鑽と研究が常に必要です。

イメージを膨らませるため、いつも、スケッチブックや小さなクロッキー帳を持ち歩いていて、文字でも言葉でもメモします。目に映った興味深いものも、何でも描きとめ、縮図といって、名画の構図を写したりもします。

問3)修業時代の苦労話などをお聞かせください。

ikegame-03-img019.jpg答)写生、写生と厳しく言われ、梅や水仙を真冬に雪の中、写生し続けたりしたことは、懐かしい思い出です。育ててみないとわからない、として、大学では、花や、ウサギ、闘鶏や孔雀などを育てていました。筆を立ててしっかりと腰のある線が描けるようになるまで、数百枚も仏画の線描を模写しました。筆と墨が扱えねば話にならないので、書や水墨もそれぞれ10年近く習いに通いました。

ずいぶんたくさんの先生方に多くのことを教わりました。遠回りのように思えたことも、振り返れば、無駄であったことはひとつもないように思えます。時間が足りないことをつらいと思ったことはありましたが、描くことがつらく感じたことはありません。

問4)製作にあたって苦労する点は何ですか?

ikegame-04-img012.jpg答)一番苦労するのは、イメージすることです。
常に、より深く、より高く、新しく表現したいと思い、創作を続けているので、毎回、一からの苦労をします。
苦労して、自分でもまだみたことのない世界が描出でき、思いと合致した作品が生まれたときは、嬉しいです。
これまでに数十冊のアイデアやスケッチ帳を描きためました。

問5)このお仕事をされていて良かったと思う事は何ですか?

答)いろいろの思いで研究し、苦労して創作した作品を、欲しいといって買っていただき、喜んでいただいたとき、素直に、良かった、と思います。自分の作品を見て、涙ぐむ人を見たときや、作品がいろいろな場所に展示され、求められたり、愛されたり、何らかのかたちで社会と関わっているのを目にしたときは嬉しいです。
自分の思いから生まれる作品ですが、自己満足にならないよう、できるだけ、普遍的な人間感情に訴える作品を創作したいと思って仕事をしています。

問6)今、仕事以外で気になる事(物)あるいは趣味は有りますか?

答)気分転換に音楽をよく聞きます。
クラッシックやオペラなどが多かったのですが、最近はボサノバなども聞きます。

問7)技術の高さはどのようなところで分かるのですか?

答)気品。
思いの波長。
精神的矛盾のない画面。

問8)耐用年数は何年くらいですか?

答)きちんと描いてきちんと保存すれば数百年はもちます。

問9)ご自慢の道具があれば教えて下さい。

ikegame-05-img016.jpg答)京都から上京する際、お別れのご挨拶に墨絵の先生のご自宅にうかがった折に、お餞別にいただいた岸派の筆。他にも、不思議と絵の筆は、縁の人からいただいた筆が描きやすいように思います。大学卒業後はじめに数年間アルバイトしていた喫茶店の店長が下さった料理用の漉し器を、糊炊きを漉すためのお下がりにいただいたのも、大切な道具のひとつです。
卒業時に大学でいただいた刷毛、書の先生にいただいた水滴なども自慢の道具です。

問10)今後、他に作ってみたいものがあれば教えて下さい。

ikegame-06-img014.jpg答)現代の絵巻が描きたいです。
ほかにも、やまと絵表現を前面に打ち出し現代的にアレンジした色紙絵本、“JAPANESE SEASONS”シリーズを、完成させて出版したいと思います。
現代のやまと絵表現は、追及していって、どんどん発展させたいと考えています。



問11)お客様にお伝えしたい事があればお願いします。

ikegame-07-img007.jpg答)絵を注文したり、飾ったり、といったことが、もっと身近になっていくといいと思っています。私自身も時折、好きな先輩や先生、友人などの作品を購入しますが、一点の作品が生活に与える潤いは計り知れないです。




問12)画家の道を目指す若者に何かアドバイス等があればお願いします。

答)辞めない限りは必ずなんとかなるので、自分の道を信じて欲しいと思います。
どんな仕事でもそうですが、地道に真摯に歩いていけば、道は必ず拓けます。
できるだけ早い時期から、様々な場所でたくさん展示をして、自分を応援してくれる方を一人でも増やすよう、頑張ってみてください。

問13)製作の作業工程の中で、特に好きな工程がありますか?

ikegame-08-img017.jpg答)胡粉をとくこと。

最上に真っ白で繊細な胡粉が溶きあがったとき、それを画面へと重ねるとき、とても楽しいです。


ikegame-09-img018.jpg糊を炊くこと。

まず、描く前、紙を張る前の、一番初めの作業なので、神聖です。
はじめて教わったときは、苦痛以外の何ものでもない、つらく根気の要る力仕事であるように思いましたが、最近は無意識に作業できるほど、体になじんでしまいました。


アトリエの水拭き。

朝、夜明け前に起きて、床を水拭き。
空気が静まり、緊張感が高まります。
早朝の時間をとても大切にしていましたが、都内に移ってからは、なかなか空気が静まりません。

問14)最も難しい技術はどのようなものですか?

答)技術といえるかわかりませんが、やはり、イメージ力です。
画材は最大限に生かそうと思うと、表現に制約を受けるので、どこまで表現を押して、どこまで画材の魅力に頼るか、いつも試行錯誤しています。

問15)気になるデザイナーやアーティストはいますか?(影響を受けた人は?)

ikegame-10-img008.jpg答)日本画をはじめるきっかけとなった、菱田春草。長谷川等伯。
東山魁夷。
ルオー。
ルノアール。
レオナルド・ダ・ヴィンチ。


問16)もし、絵描きになっていなかったらどのような道に進んでいたと思われますか?

答)哲学者になりたかったです。
哲学は実態のない職業のように思われて、絵の道に進みました。
自分を構成する要素に、哲学的な部分は今でも強いと思います。

問17)製作にあたって特にこだわっている点は。

答)具象であろうと、抽象であろうと、何を描いていようと、絵の心を見失わないことです。
ただ描写に夢中になってしまうと、どうしようもないほど、空虚なものとなってしまいます。
心と生活を合致させること、心の波長を高く維持することなどに普段から神経を使います。