member

member_top2_iwasaki.gif


会員名

 職 種 
 


岩崎 晃  Iwasaki Akira

表具経師(ひょうぐきょうじ)
 

事業所名

松清堂(しょうせいどう)

所在地

TEL&FAX

135-0042 東京都江東区木場5−9−1

 T 03-3641-9539  F 03-3641-9549

E-MAIL

iwasaki@aquamarine.bforth.com

PR動画

岩崎晃×株式会社七彩工房/

member_top1_iwasaki.jpg

主な販路

顧客から直接が9割、残りは建築会社

主な材料

和紙(1000種類以上)、裂(きれじ)、杉、檜、のり、金物

主な道具

刃物、竹べら、刷毛、ピンセット、定規など

主な製品名

ふすま、障子、屏風、額、つい立て、表具、部屋の壁・天井の和紙貼り、古い屏風の貼替えなど

特徴

天然素材を用いているので、天候や環境の変化によって反ったり、変形したりします。それをすぐに直す事ができるのが私達の仕事です。

PRポイント

下地等の目に見えない部分、目立たないところで手間を省いたり、材料の質を落として利益を上げようとする傾向が、今の日本のものづくりの大きな流れだと思っていますが、あえてそれに逆行したいと思っています。なるべく古い長老の方々から教わったやり方でやっていきたいと思っています。

インタビュー記事

問1)岩崎さん、これまでの経歴についてお聞かせください。

答)大学の文学部を卒業し、すぐに父の仕事の見習いに入りました。

問2)お仕事の内容についてお聞かせください。

iwasaki-01-088.jpg答)襖(ふすま)ですと、骨屋さんで骨ふちの原形を作ってもらい、ぬし屋さんと言われる漆塗りの職人さんの作業を経た後、こちらでの貼る作業になります。古い襖の貼替えの場合は、元の襖絵を剥がす作業から始まります。古いものはかなり傷んでいるものも多く、時間をかけて慎重に剥がす作業を行います。貼る作業よりも剥がす作業の方が時間もかかり、技術も要します。





問3)修業時代の苦労話などをお聞かせください。

iwasaki-02-017.jpg答)まず、刃物を研げるようになるまでが大変です。刃物や道具の手入れができるようになってはじめて食べていけると思いました。刃物が研げるようになるまで10年かかりました。実際に作業をしてみると分かりますが、よく手入れされた刃物は、ほとんど力を入れなくてもスッと切れます。



問4)このお仕事をされていて良かったと思う事は何ですか?

答)自分の仕事をお客様に喜んでいただけた時は、本当に嬉しいです。

問5)もし、職人になっていなかったらどのような道に進んでいたと思われますか?

答)やはり、なんらかのものづくりの仕事をしていたと思います。間違いなく、ネクタイはしめていなかったと思います。(笑)

問6)製作にあたって苦労する点は何ですか?

iwasaki-03-052.jpgiwasaki-04-049.gif答)失敗が絶対に許されない、取り返しがつかないという仕事の場合は、かなり精神的にきつい部分があります。
例えば、貴重な襖絵の貼替えなどの場合は失敗が許されないので、プレッシャーになります。










問7)製作にあたって特にこだわっている点は?

答)きれいに貼る事は当たり前。最近の仕事は、できて1年の保証期間の間だけもてばいいというような風潮もありますが、10年後、20年後でも良い状態であるような仕事をしたいと思っています。

問8)今、仕事以外で気になる事(物)あるいは趣味は有りますか?

答)ウォーキングで山や町中を歩く事や、海でスキンダイビングをしています。千葉の興津によく潜りにいきます。以前は水中写真を撮ったりしていましたが、今は潜って魚を見るだけで十分に楽しめます。

問9)屏風•掛軸の保存について注意すべき点があれば教えて下さい。

答)紙は湿度に弱いので、薄暗く湿った部屋に額などを置いておくと、カビが生えたり虫がくったりしてだめになってしまいます。最近の高気密住宅は特に温度や湿度の調整が難しいので、傷みが早いです。

最近のマンションや住宅に合った技術を考えていかなければいけないとは思いますが、襖や障子が長持ちしない環境は人間にとっても良くないと思うので、今後は、昔の住宅のような風通しの良さと、最近の住宅のような気密性の高さのお互いの良さを合わせたようなものになっていくのではないかと思います。

問10)作品を作るにあたって影響を受けたもの、あるいは参考になるものはありますか?

答)昔の絵師や職人の技術からは得られるものが多いので、そうしたものを見に美術館や展覧会には行くようにしています。現代の作家からは、特に影響を受けてはいません。

問11)製作の作業工程の中で、特に好きな工程がありますか?

答)古い襖から絵を剥がす工程が好きです。剥がしてみると分かるのですが、何度も貼り替えが行われている跡が出てきたりすると、昔の職人さんの技術や考え方が見えてきて大変面白いです。

問12)技術的に難しい部分や、こだわりの部分を教えてください。

答)古い絵の絵の具や墨は、水をつけると溶けてなくなってしまいます。紙自体も古いものはボロボロになってしまうので、不用意にめくると破れてしまいます。うまく剥がれれば、作業はほとんど終わったといえるくらい、慎重に時間をかけて行う工程です。

問13)オリジナルの技術はありますか?

iwasaki-05-041.jpg答)昔からあるしょうふ糊に化学糊を混ぜて使う技術はオリジナルと言えるかもしれません。古来の糊と化学糊はそれぞれ良いところと悪いところがあります。しょうふ糊は何十年たっても水で剥がす事ができるのですが、逆に化学糊は年数が経つと剥がしにくくなります。
しょうふ糊は小麦粉でできた葛餅(くずもち)のようなもので、自然素材ならではの特性を備えています。上等なものにはしょうふ糊だけを使いますが、両者の特性を生かせるような場に合わせて、調合の分量を調節して使用しています。

iwasaki-06-035.gif






問14)気になるデザイナーやアーティストはいますか?

iwasaki-07-136.gif答)影響を受けた人はやはり師匠です。
特に気になるデザイナーなどは思い当たりませんね。






問15)今後、作ってみたいものがあれば教えて下さい。

答)自分でものを作って売っている他の職人さん達のように、100%自分のアイディアだけでものを作ってみたいと思います。そうしたオリジナル作品を、自分で売る事ができるような場を持てればいいなあと思います。

問16)ご自慢の道具があれば教えて下さい。

iwasaki-09-019.gifiwasaki-08-025.gif答)やはり、刃物でしょうか。もとはもっと大きなものだったのですが、研いでいるうちにだんだん小さくなってしまって、サヤのほうが大きくなってしまいました。刃物自体はそんなに上等なものではないのですが、自分で研いで使いやすくなっているので手放せない道具です。



問17)職人の道を目指す若者に何かアドバイス等があればお願いします。

答)いわゆる3Kはいやだという時代がありましたが、一流企業で背広を着て働くことが最高で、泥だらけで働く事は最低だというような考え方だけはやめてほしいと思います。多少服が汚れようが、ものづくりの楽しさを知ってほしいと思います。

問18)お客様にお伝えしたい事があればお願いします。

iwasaki-10-129.gifiwasaki-10-iwa151.gif答)現代の生活の中でも、伝統技術が活かせる場面はあると思います。伝統的なものづくりはもちろん継承していきますが、純粋な和風の生活空間でなくても、もう少し気軽に洋室の居間などでも使えるようなものづくりを行っていきたいと思っています。伝統工芸会の他の職人さんたちとも協同してものづくりができれば良いと思っています。