member

member_top2_kawamata.gif


会員名

 職 種 
 


川又栄風  Kawamata Eifu

結桶師(ゆいおけし)
 

事業所名

桶 栄

所在地
TEL&FAX

135-0011 東京都江東区扇橋1−13−9
 Tel & Fax 03-5683-7838

URL

http://www.okeei.jp/

PR動画

川又栄風×株式会社七彩工房

member_top1_kawamata.jpg

主な販路

百貨店、専門店、ギャラリー 等

主な材料

国有林の木曽産さわら材、ひのき材(樹齢300年余)、杉、銅、洋銀、竹

主な道具

伝統的な木工具 (カンナ、のこぎり等)

主な製品名

食器、花器、茶道具、等木工芸品全般

特徴

丸太の玉切りから仕上げまで、伝統技法を伝える。
形の美しさだけでなく、数十年の使用に耐える実用性を兼ね備える。
オーダー(お挑え)による製作も行う。

PRポイント

樹齢300年余の丸太に刃物を当てるときは身の引き締まる様な恐れをも感じる。自らの手と少しの小さな道具を使い、何百年も前の先達と同じ技法で桶を結う。毎日毎日、背中を丸め、カンナくずにまみれ、同じ事を繰り返していることで次に何をするべきか見えてくる。

700年前から現在まで日本のくらしの中で使われ続けてきた形を極める一方、100年先にも通用する形を生み出したいと思っている。

掲載雑誌・

TV番組での公開等

・「pen」江戸デザイン学(2007年6月)
・「 casa BRUTUS ニッポンの老舗デザイン」(2010年5月)
・「日本の職人」神山典士 河出書房新社
・「山口智子 手わざの細道」BS Japan (2007年4月)
・「職人の道具」ヒストリーチャンネル (2008年6月)
・「Asia Pacific NEWS」NTDTV・USA (2010年2月)

その他多数
http://www.okeei.jp/about-okeei.html

LinkIcon前のページ へ

インタビュー記事

問1)川又さん、これまでの経歴についてお聞かせください。

kawamata-01-201001.jpg答)学生時代から材木を切ったり、材木を買い付けにいったりと家の仕事をアルバイトとして手伝っていたのですが、大学を卒業後、3年ほど会社勤めをしました。

その後、ものづくりの仕事をしようと思い直して、家業を継ぐことになりました。




問2)お仕事の内容についてお聞かせください。

答)毎日、仕事場で桶を結うことが仕事の基本ですがお誂えの注文の対応や展示会場での接客等も仕事の1つです。
時には、学生の伝統工芸体験学習やプロダクトデザインの指導や講演、イベント・展示の企画など、はじめての依頼もあります。

問3)最近では、生活雑貨のセレクトショップのようなお店の取扱いも増えてきていますが、今の生活に合うような品物の提案もしていこうということでしょうか?

答)700年余りも作られ、使われ続けている桶は、常にいつの時代にもコンテンポラリーであったからこそ、今まで続いてきたのだと思います。技法は変わらずとも、時代、時代に求められるものが作られ、今に至っている。

新しいだけの物作りをめざそうとは思いません。その時新しい物は、いつかは古くなるものです。例えば、バランスや寸法を少し修正するだけで、今のくらしにしっくりくるものが出来ることもあると思います。

問4)修業時代の苦労話などをお聞かせください。

kawamata-02-201002.jpg答)一人一人の体格や筋力は皆ちがうので、鉋の刃の角度や出し方もかわります。
手とり足とり親方に考えられてもそれを自分に合ったものにするまで調整することが必要です。それに材木の状態(硬さ、油の含み具合、ねばり...)によっても刃物の切れ味は変わります。

素材と刃物と自分の力のそれぞれを測り、最良の接点をさぐり出すことが良い物を作ることになります。

仕事をはじめて4〜5年すればだいたいのことは出来るようになりますが、全行程を1人で手がけ、それなりに質の高いものが出来るには10年ほどかかったと思います。

問5)このお仕事をされていて良かったと思う事は何ですか?

答)自分の手で材料の仕入れから仕上げといった全工程に一人で係われる点が良かったと思います。最近はある程度製材された材料から作る職人さんが多く、私のように丸太から加工する職人さんは少なくなってきているようです。

丸太の買い付けは1年に1回なのですが、木の状態は丸太の外見だけではなかなかわからず、実際に加工してみてどういう状態だったかということを経験として蓄積していって色々な事がわかってくるといったことも楽しみの一つかもしれません。

昔の職人さんは良い丸太の選び方をなかなか教えてくれなかったのですが、これはやはり、自分で実際に加工してみないとわからない事だったからかもしれません。

問6)もし、職人になっていなかったらどのような道に進んでいたと思われますか?

答)大学を出て最初に会社に勤めて、仕事にも満足していました。しかし、勤めを辞めるにあたって、また同じ会社勤めをすることは全く考えていませんでした。

大学に入る時もそれほど深く考えて経営の勉強を選んだわけではなかったのですが、結果として、一見すると関係のなかったようなこれらの経験が、現在のものを作って売るという職業に生かされているのだと思います。

問7)製作にあたって苦労する点は何ですか?

kawamata-03-201004.jpg答)桶の底の板をはめる工程が技術的には難しい部分です。また、江戸櫃の蓋(ふた)の板をはめる部分は腕の良し悪しを見極める部分でもあるので、さらに難しい部分であると思います。

昔は桶作りも専門化していて私のおじいさんの時はかぶせる蓋の江戸櫃だけを作っていました。これをうまく作れる職人は1ランク上として認められていたようです。

kawamata-04-201003.jpg仕事が終わって一杯飲みに行く時も、普通は、紺色の仕事足袋をはいていたそうですが、かぶせる蓋のお櫃を作っていた結桶師たちは白足袋をはいて飲みに行ったそうです。

「米」は日本人にとって特別な意味をもつ食品です。それを納める「おひつ」という特別な器を作っているという気位もあり、身だしなみの点でもあらわしていたようです。

問8)製作にあたって特にこだわっている点は?

答)良質な日本の素材を使うことと、その特性を生かし切るために、伝統技法で作ることです。その上で耐久性や使い易さ等の機能の面と形の美しさや木肌の美しさの面を、バランスさせることを気をつけています。
私独自の形を作るといっても、華美な装飾を施したり、斬新なデザインを作るような、作家性をだすものではありません。100年後にもスタンダードとして通用するものでありたいと思っています。

問9)桶の使用にあたって注意すべき点があれば教えて下さい。

答)使用後は水分を拭き取って24時間程度自然乾燥します。長い間水につけておくと、木に水分が染み込んで乾きにくくなります。また、乾燥機等で急激に乾燥させると木が反ることがあります。

素地のものは、クレンザー+へちまを使っても良いでしょう。 経年変化により、状態が悪くなっても修理できるものもあります。

木は山で切られてからも生きています。人間の様に扱って下さい。着る物や器も、上質のものはそれなりの手入れは必要です。

問10)多くのジャパンフェスティバルに出品されていますが、海外の方の評判はいかがですか?

答)通訳の方を通じて、これを作るのは仕事なのか、趣味なのかとよく聞かれます。仕事だと答えると、その点を評価されます。

オランダのライデンでは、マイスターや親方という考え方があって社会的にも地位が高いそうなのですが、そのようなところでは特に仕事の良さを評価されま す。ヨーロッパでは一般的な会社員は一家の次男や三男がなるそうで、農家や伝統工芸の家庭では長男が受け継ぐのが一般的であるようです。

農家や伝統工芸家の方が一般的な会社員より豊かな暮らしをしているということで、一目置かれているようです。(確かに、日本でも終身雇用制度が崩れてき て、会社員という価値観ではなく、自分の好きな職業を選択する中で、ものづくりに関わる職業を選択する気運が高まっていますよね。)

問11)若者向けの雑誌に多く取り上げられているようですが?

kawamata-05-201005.jpg答)実際に購入して下さるのは30代〜60代と幅広いのですが、あまり接する機会のない若い人達にわかりやすく説明するように心掛けています。
ブランド品を身につけるだけで豊かになったと考えない、本当の豊かさのイメージのある若い人が増えてきた。
それで、とりあげられるようになってきたのでしょう。



問12)地方の展示会での評判はいかがですか?

kawamata-06-201006.jpg答)「東京にこんな仕事の職人がまだいたなんて!」とおどろかれる人もいます。

「深川の木場は、江戸時代から現在まで、何百軒も材木問屋が軒を連ねています。良質の材木が全国から集まるので、木工の仕事も多く残っています。」と申し上げます。


問13)さわらやひのきで桶を作ることの良さは何でしょうか?

kawamata-07-201007.jpg答)素材の特性(抗菌・防カビ力が強い、香りが良くリラックス効果がある、木目が細かく美しい、油分が強く耐水性が高い、肌ざわりがなめらか、軽く扱い易い)を生かせるからです。

例えば、おひつなどの食器は、米・パン・菓子を直接入れます。衛生的なことと、化学物質や薬品を使わず、安心して食品を保管できます。
又、風呂用品に多く使われるのも、水に強く、金属やプラスチックに比べ、肌ざわり、香りが良く、リラックスできるからでしょう。

LinkIcon前のページ へ